2023年、新型コロナウイルス感染症が5類へと移行して経済活動に回復が見られる中、前中期経営計画においてグループ一丸となって強力に取組んできた構造改革の効果が着実に表れ、コロナ禍で大きく落ち込んだ業績を回復し、過去最高益をあげることができました。構造改革の目的は、単にコロナ前の業績を回復することではなく、当社グループの課題であった事業収益力を高め、稼ぐ力を強くして利益の出やすい企業へと体質改善を行なうことにありましたが、これについても大きく前進させることができました。
コロナ禍を経た今、我が国経済は大きく変化しようとしています。物価高とともに賃上げの動きもはじまり、企業においてはこれまでのコスト削減と価格競争を繰り返すデフレ経済下での戦略から、付加価値を高め、差別化された商品・サービスで顧客から選ばれ続ける戦略への転換が求められます。創業以来高い品質とサービスで世の中に貢献してきた当社グループはこの変化をチャンスと捉え、次なる10年においては、国内はもとより海外の顧客や取引先をも視野に入れた本格的な成長の道に挑戦してまいります。
このビジョンのもと、まず新たな中期経営計画(2024年から2026年までの3か年計画)においては、前中期経営計画によって高めてきた事業収益力を一層高めるために、新たなメニューも加えて構造改革を完遂し、収益性・効率性をさらに向上させ、「稼ぐ力」のより強い企業へとパワーアップさせ、財務体質を強化して投資余力の拡充に努めます。
競争力の源である品質をさらに磨くとともに、選択と集中により更なる収益向上を進めてまいります。
① 商圏ポテンシャルや地域特性に則した機動的な出退店、他企業との融合戦略の推進
② 当社の差別化要因で強みであるCLP(集配スタッフ)の活動スタイルの変革とデジタルマーケティングによるサービス力の向上
③ 工場技術者の更なるプロフェッショナル化と工場の自動化・省人化、拠点間の機動的な生産調整等による、生産体制の効率化
高収益体質への変革を進めるとともに、拡大する市場に対応してまいります。
① 品質・サービス・付加価値を反映した価格戦略による収益性の向上
② 工場経費率の管理、資材調達額の削減等による収益性の高い生産体制の確立
③ 独自付加価値サービスの提案等、市場ポテンシャルを考慮した営業力の強化
新たな差別化戦略により営業力を強化し、業容を拡大してまいります。
① 脱炭素社会に適合する独自サステナビリティ商品の提案による営業の差別化
② 異業種との協業・提携拡大による新規営業ターゲット先の拡大
③ 自工場生産体制再構築による生産性の向上
また、当社グループは「サステナビリティ基本方針」のもとに定めたマテリアリティとその解決に向けた手段を明確にし、社会課題の解決に貢献するとともに、企業価値の向上に努めていますが、新たな中期経営計画においては、人的資本への投資、環境経営、ガバナンスの強化に一層注力してまいります。
当社グループは、コロナ禍によって大きな危機に直面いたしましたが、構造改革の推進によってこの危機を乗り越え、成長軌道への回帰を果たすとともに稼ぐ力が強い企業へと体質改善を行なってまいりました。国内外の経済は、様々な要因により不透明かつ不安定ではありますが、コンプライアンスの徹底やガバナンスの強化を図るのは勿論、創業の精神を礎に新たなビジョンである世界に貢献する白洋舍グループの実現に向けて成長の歩みを続け、株主さま、お客さまをはじめとするステークホルダーの皆さまのご期待に沿うよう、企業価値の向上に努めてまいります。
何卒、株主の皆さまの相変わらぬご支援とご理解を賜りますよう心からお願い申しあげます。
代表取締役社長
五十嵐 瑛一
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