2025.04.12
株式会社白洋舍は、レコテック株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:野崎 衛、以下RECOTECH)が運営する「pool」を活用したクリーニング品包装用プラスチック(以下、包装用プラスチック)のマテリアルリサイクルプロジェクトへ参画します。また、これを機に、環境配慮設計を取り入れた包装資材への変更等、高度な循環性の実現を目指します。
1.poolについて
poolは普段捨てられてしまう「ごみ」をデータ化することによって回収インフラを構築し、リサイクル材料を活用したい製造業者と排出事業者を繋ぎ合わせてトレーサビリティの取れる循環型サプライチェーンをデザインするための仕組みです。
今回対象とする包装用プラスチックは、排出・回収・中間加工・リサイクル・調達の各ステークホルダーがpoolシステムに情報を登録することで、サプライチェーン全体を通して、品質・コスト・供給量・トレーサビリティの情報を常に管理しながらPCR材*として流通させます。再生されたPCR材は、物流梱包資材やレジ袋、ボトルなどに生まれ変わります。
RECOTECHは、プラスチックに限らず様々な「ごみ」を「都市資源」として捉え、poolを活用して循環資源として供給していくことを目指しており、当社もこの取組みに賛同し、参画することといたしました。
*PCR材とは:ポストコンシューマーレジン (Post-Consumer Resin)の略称。家庭から排出される材料、または製品のエンドユーザとしての商業施設、工業施設及び各種施設から本来の目的を終え、もはや使用できなくなった製品として発生する材料。
2.導入の背景と環境配慮設計の挑戦
クリーニング業界では、お客さまの大切な衣類をクリーニング後、綺麗な状態でお渡しするために包装用プラスチックを使用しています。
当社では環境負荷低減のため、グループ全体で包装用プラスチックの薄肉化(より薄くする)やバイオマス化に取り組んでまいりましたが、包装用プラスチックには一定の強度が求められることから、これ以上の薄肉化には限界を感じていました。
次なる段階として、包装用プラスチックの一般的な処理方法であるサーマルリサイクル(熱回収)よりも環境負荷の少ないマテリアルリサイクルへの移行を模索していた中、RECOTECHが提供する先進的なリサイクルスキームを知り、導入に至りました。
また、さらなる資源循環の高度化を見据えて、今後は、環境配慮設計を念頭に包装資材の見直しを行ってまいります。具体的には、以下の3つのアプローチを柱とした環境配慮設計に取り組みます。
a)包装資材の見直しによる循環性の向上:現在使用している包装用プラスチックの素材構成を見直し、リサイクル時の分解や再生が容易な材料選定を行います。これにより、従来は困難とされてきた高度な材料リサイクルの実現を目指します。
b)メーカーとの密接な協業による設計最適化:poolシステムを活用し、包装資材の設計段階から、リサイクル事業者や製造メーカーと情報を共有。強度、透明性、環境性能などの要件を総合的に検討し、より持続可能な包装資材の開発に挑戦します。
c)トレーサビリティを担保した循環システムの構築:poolのデータ管理システムを通じて、包装資材の調達から排出、再生までの全工程を一元的に追跡。これにより、各ステージでの環境負荷を可視化し、継続的な改善につなげていきます。
これらの取り組みを通じて、単なる排出物削減を超えた、新たな資源循環モデルの確立を目指します。クリーニング業界における環境配慮の新たな基準を創出し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
・スコープ3カテゴリ5(廃棄物処理)における温室効果ガス排出量の削減
・資源の提供による循環型経済への貢献
・業界全体の環境意識向上への波及効果
4.今後の展開
まずは首都圏本部 東京事務所での運用を開始し、実績を踏まえた上での展開を計画しております。2025度末までに、関東主要拠点への導入を目指します。
以上