ユニフォームを洗濯する際の方法やポイントについて解説

食品工場において、ユニフォームの洗濯と衛生管理は、製品の安全を保つための最も重要な要素の一つです。
食品業界では食の安全性が厳しく問われる今、ユニフォーム(作業着)の清潔さは、異物混入や微生物汚染を防ぐための生命線であり、単に「汚れを落とす」以上の高い衛生レベルが求められています。
しかし、「現場のユニフォームの頑固な汚れや臭いがなかなか落ちない」「HACCPなどの衛生管理に沿った洗濯方法がわからない」といったお悩みをよくお聞きします。
そこで、この記事では、洗濯方法や、衛生管理を徹底するための重要なポイントを詳しく解説します。
ユニフォームの洗濯でよく聞く悩み
食品工場におけるユニフォーム(作業着)の清潔さは、製品の品質や安全性を担保するための基本となります。
しかし、その洗濯・衛生管理においては、企業側と従業員側の双方から多くの悩みが聞かれます。
企業目線での悩み
ユニフォームの洗濯・管理は、ユニフォームを管理する担当者にとって、非常に大きな業務負担となりがちです。
特に、製造業特有の汚れへの対応と、衛生基準の維持が大きな課題となります。
自宅洗濯の場合
従業員にユニフォームの自宅洗濯を任せる場合、企業としては洗濯品質のばらつきが大きな懸念点となります。
- 衛生管理の徹底が困難
家庭用洗濯機では、工場で求められるレベルの殺菌・消毒が難しいです。
また、会社が求める頻度で、従業員がちゃんと洗濯しているかまでは把握できません。従業員によっては、コインランドリーを週1~2回利用する際に、まとめて洗うという場合もあり、菌が増殖しやすい夏場は特に、衛生リスクが高まる懸念があります。 - 異物混入リスク
洗濯や乾燥の過程で、従業員宅の髪の毛やペットの毛などが付着し、そのまま工場内に持ち込まれる二次汚染のリスクがあります。 - 臭いや汚れの残り
油やタンパク質などの頑固な汚れが家庭用洗剤ではなかなか落ちず、汚れ残りや臭いが品質管理上の問題となることがあります。 - ユニフォームの紛失リスク
従業員が自宅と職場の間でユニフォームを持ち歩く際、または自宅での洗濯中や前後でユニフォームが私服などに紛れるなどして、紛失してしまう恐れがあります。
社内洗濯の場合
企業が自社の社内設備で洗濯を行う場合は、設備投資やランニングコスト、人手に関する問題が生じます。
- 初期投資と維持費
洗濯機や乾燥機などを導入するための高額な初期費用と、それらを維持するための水道光熱費や修理費用が必要です。 - 洗濯・乾燥スペースの確保
洗濯したユニフォームを乾燥させるスペースも確保しなくてはなりません。 - 業務負担の増大
大量のユニフォームを毎日・毎週安定した品質で洗濯し、畳み、各従業員に配布する手間と人件費が大きな負担となります。 - 専門知識の不足
汚れの特性に合わせた洗剤の選定や、洗濯知識、高い衛生レベルを保つための専門的な知識を持った担当者の育成が必要となります。
そのほか
そのほかにも、ユニフォームの破損・消耗が激しく、定期的な交換や補修のコストがかさむことや、サイズ変更や入退社時の在庫管理が煩雑になることも、ユニフォームを管理する担当者の悩みの種です。
また、自宅洗濯の場合は、取引先などの社外から指導や改善を要望される可能性もあります。
従業員目線での悩み
ユニフォームの洗濯が従業員任せになっている場合、従業員の不満や負担が増し、結果的に衛生意識の低下を招く事態にもつながりかねません。
自宅洗濯の場合
- 適切な洗濯の仕方がわからない
通常の洗濯物とは異なる汚れの付いたユニフォームを適切に洗濯する方法がわからず、とまどったり迷ったりしながら洗濯をしなければならなくなる可能性があります。 - 洗濯の手間
自分や家族の衣類とは別に、作業着を毎日洗う手間や時間的な負担を感じることがあります。特に、洗濯を担当する家族が別にいる場合、その家族の負担につながります。 - 汚れのついたユニフォームをカバンや自家用車に持ち込みたくない
ユニフォームが特に汚れている場合は、それを自宅へ持ち帰るためにカバンや自家用車に持ち込むのを嫌がる従業員は少なくないでしょう。
また、従業員がユニフォームを持ち帰ること自体が面倒に感じられ、精神的な負担となる可能性があります。 - 汚れ落ちの不満
頑固な油汚れや、作業着特有の臭いがなかなか取れず、不快感を覚えることがあります。 - 他の衣類への影響
汚れた作業着を他の家庭の衣類と一緒に洗うことによる、家庭内での二次汚染を懸念する声もあります。 - 各家庭の洗濯機事情の影響
洗濯機が自宅になく、週1~2回、私物とまとめてコインランドリーで洗濯する場合、特に夏場は菌が増殖し、ニオイが出たり、衛生リスクが高まることがあります。
社内洗濯の場合
- 洗濯業務が負担になる
社内洗濯の場合、洗濯を担当する従業員が負担を感じる恐れがあります。当番制にしたとしても、洗濯の業務がなくならない限り、負担は続きます。 - 仕上がりの不満
社内洗濯の品質が一定でない場合、汚れ残りやシワなど、仕上がりに不満を感じ、業務中のモチベーションが低下する恐れがあります。 - 配布時の問題
洗濯後の配布や保管方法によっては、ユニフォームに髪の毛やホコリが付着し、清潔感が損なわれることがあります。
そのほか
破損時の補修(メンテナンス)も自宅で行わなければならない場合の作業負担があります。また、縫い糸が飛び出していたり、針が混入した場合は、食品安全リスクが高まります。
ユニフォームを洗濯する方法
ユニフォームの洗濯方法は、大きく分けて「自宅洗濯」「社内洗濯」「クリーニング業者への依頼」の3つがあります。
それぞれの特徴と課題をご紹介しましょう。
自宅で洗濯する
従業員が各自の自宅で洗濯するのが、最もコストがかからない方法です。
ただし、前述した通り、衛生管理の面で最もリスクが高い方法といえます。
企業側担当者や従業員の負担も大きく、特にHACCPなどの衛生基準が求められる工場では、従業員へユニフォームの洗濯についての教育・指導をしっかりとおこなったほうがよいでしょう。
なお、ユニフォームの購入在庫量という観点では、従業員数に対して在庫が多くなりがちです。
社内で洗濯する
工場内に洗濯設備を用意し、企業側で洗濯・管理する方法です。
洗濯のタイミングや方法を企業がコントロールできるため、自宅洗濯よりは衛生品質を保ちやすいです。
しかし、初期費用やランニングコスト、人件費がかさむほか、専門的な工業洗濯レベルの洗浄・殺菌を行うには限界があります。
クリーニング業者へ依頼する
外部のクリーニング業者に、ユニフォームの洗濯・管理を任せる方法です。
専門的な設備と技術により、工場で求められる高い衛生レベルで安定した洗濯が可能で、ユニフォーム管理担当者の業務負担も軽減できます。
しかし、その分ユニフォーム管理について、自宅で洗濯する場合よりもコストアップとなります。(洗濯代がかかるほか、洗濯サイクルとの兼ね合いから、ユニフォームを追加で用意しなければならない可能性があります。)
ユニフォームを洗濯する際のポイント
自宅洗濯や社内洗濯を行う場合、以下のポイントを意識することで、より高い洗浄効果と衛生状態を保つことが期待できます。
洗濯物の分け方
汚染度が高いものとそうでないものを分ける
まず、ユニフォームを洗濯する際は、「汚染度」によって衣類を分類することが重要です。
たとえば、食品や原材料に直接触れるユニフォーム(汚染度が高い)と、事務所内で事務服として着用するユニフォーム(汚染度が低い)を分けて洗います。
汚れのひどいものと、比較的きれいなものを分けることで、洗浄効果を均一にし、軽い汚れの衣類への汚れの再付着を防ぐことができます。
ユニフォームと私物を一緒に洗う場合
私物のうち、色が出るもの、香水など匂いの強いもの、汚れの強いもの、 感染症の疑いがあるもの、ペット用品は、一緒に洗濯しないようにしましょう。
ユニフォームに異物や毛髪などが付着している場合は極力取り除いておきましょう。
洗い方について
部分洗い
前面や袖口などの特に汚れがひどい箇所には、洗剤を直接塗布し、ブラシなどで軽くこすってから洗濯機に入れる部分洗いが効果的です。
使用する水について
清潔な水を使用しましょう。風呂の残り湯の使用は推奨いたしません。
洗剤について
洗剤は標準使用量を入れましょう。基準量よりも多く使用してしまうと、かえって洗剤の効果が発揮されない可能性があります。
柔軟剤を使用する場合は、香りがない無香料タイプを選びましょう。
乾燥のしかたについて
干す際の注意点
屋内外や、私物などから、虫、毛羽やホコリ、毛髪などの異物が付着しないように干し、完全に乾燥させましょう。
アイロンがけをする
洗濯後にアイロンがけを行うことは、単にシワを伸ばすためだけではありません。
アイロンの高温により、洗濯機では除去しきれなかった微生物を殺菌する効果が期待できるのです。
また、シワのないパリッとしたユニフォームは、従業員の衛生意識とモチベーションの向上にもつながります。
その他
洗浄後の取り扱いについて
洗浄後は、清潔な手指でユニフォームを扱いましょう。
また、異物が付着しないようにして、ビニール袋などに入れ、ビニール袋のまま職場に持っていったり、保管したりしましょう。
出勤時の私服とユニフォームが交差汚染しないよう、保管場所を分けることも大切です。
洗濯機について
洗濯機は定期的に清掃しましょう。
ユニフォームのクリーニングを依頼するメリット
自宅洗濯や社内洗濯には、品質やコスト、手間の面で限界があります。
そこで検討したい選択肢の一つとして、専門業者へのクリーニング依頼があります。
ユニフォームのクリーニングを依頼することで、多くのメリットが期待できます。
衛生的な状態に保つことができる
専門のクリーニング工場では、家庭用とは異なる工業用洗濯機を使用します。
専門知識を持つスタッフが、ユニフォームの素材や汚れの性質に合わせ、最適な洗剤と洗い方を適用します。
また、高温・高アルカリ・漂白剤使用などを用いた洗浄・すすぎにより、油汚れや臭いを除去し、高い殺菌効果を得ることができます。
社内の負担を軽減できる
ユニフォームの洗濯・補修・在庫管理に関わる担当者の業務負担を大幅に削減できます。
社内洗濯設備の運営や、従業員への配布・回収にかかっていた手間や時間が不要になり、本業に専念することができます。
また、洗剤代、水道光熱費、設備の修理費など、見えにくかったコストがサービス料として一本化され、管理しやすくなります。
ユニフォームレンタルの利用もおすすめ
ユニフォームの洗濯・クリーニングを外部に依頼する場合、「ユニフォームレンタル」サービスを利用することも、合理的で効果的な選択肢の一つとしておすすめです。
ユニフォームレンタルのメリット
ユニフォームレンタルは、単に「洗濯」を代行するだけでなく、ユニフォームの調達・管理・補修・交換のサービスを提供します。
このため、次のようなメリットが期待できます。
衛生的な状態に保つことができる
専門工場での工業洗濯により、徹底した洗浄・殺菌が保証されます。
初期費用の削減
ユニフォームを購入する必要がないため、導入時の大きな出費を抑えられます。
管理業務の軽減
在庫管理、サイズ交換、補修、廃棄といった、ユニフォームの煩雑な管理業務をサポートします。
常に清潔でよい状態のユニフォーム
自然消耗したユニフォームは、新しいものに交換されます。
これは、クリーニングのみを行う業者にはないサービスです。
白洋舍のユニフォームレンタルサービス
白洋舍のユニフォームレンタルは、長年の実績と、専門的なノウハウに基づき、特に食品工場で求められる厳しい衛生基準に対応したサービスを提供しています。
貴社が抱える「洗濯品質の安定化」「衛生管理の徹底」「ユニフォーム管理業務の軽減」といった課題に対し、ユニフォームのレンタルというかたちで全般的なにソリューションを提供します。
貴社の「食の安全」と「従業員の快適な労働環境」の実現をサポートいたします。
白洋舍のユニフォームレンタルサービスについて詳しくは、下記ページをご覧ください。
https://www.hakuyosha.co.jp/business/service/rental/
まとめ
自宅洗濯や社内洗濯には、洗濯品質や衛生品質のばらつき、従業員負担、設備投資、在庫管理や補修などの業務、などといった多くの課題が伴います。
特にユニフォームの衛生レベルの引き上げや安定」「ユニフォーム管理者をはじめ、従業員の負担を大幅に軽減したい」とお考えのご担当者様には、ユニフォームレンタルの活用をおすすめします。
専門業者にユニフォームの調達から、工業洗濯による徹底した洗浄・殺菌、さらには在庫管理・補修まで全てを任せることで、貴社は本来の業務に注力しながら、衛生環境を維持できるようになります。
これを機に、現在のユニフォームの洗濯・管理体制を見直し、ユニフォームレンタルサービスの導入をご検討されてはいかがでしょうか。