クリーニングのシミ抜き、料金相場や依頼する際の注意点を解説

お気に入りの服にシミがついてしまった経験、誰にでもありますよね。
ご家庭で洗濯してもなかなか落ちない厄介なシミは、本当に頭を悩ませるものです。
特に、高価でデリケートな衣類や大切な服に付いてしまったシミ、そしてワインやコーヒーといった特殊なシミは、無理に自分で落とそうとすると、かえって衣類を傷めてしまうこともあります。
そんな時は、迷わずプロのクリーニング店に「シミ抜き」を依頼するのがおすすめです。専門知識と技術で、衣類に合った最適な方法で処理をしてくれます。
この記事では、クリーニングにおけるシミ抜きの料金相場や、依頼する際の注意点についてご紹介します。
クリーニングのシミ抜きとは
日常生活を送る中で、衣類にシミを付けてしまうのは、よくあるトラブル。
ご家庭の洗濯で対処できるシミもあれば、何度洗っても落ちない頑固なシミもありますよね。
このような落ちにくいシミを落とすのが、クリーニング店の「シミ抜き」です。
単にシミを落とすだけでなく、衣類の素材、染色の状態、シミの種類、付着からの時間経過などを総合的に判断し、最適な方法で処理する専門性の高い技術を用います。
ご家庭で行う洗濯では、一般的に水と洗剤を使って全体を洗うため、シミの種類によっては効果がないばかりか、かえってシミを広げてしまったり、生地を傷めてしまったりする恐れもあります。
一方、クリーニング店のシミ抜きは、シミの原因となっている成分を特定し、それに適した溶剤や特殊な機械、熟練した技術を駆使してピンポイントで汚れを除去します。
このため、衣類へのダメージを最小限に抑えつつ、シミを効果的に取り除くことが可能です。
特に、デリケートな素材や色柄物、ブランド品などの大切な衣類の場合、ご自身で対処するよりも専門家であるクリーニング店に依頼した方が安心です。
クリーニングのシミ抜きが有効なシミの種類
クリーニング店で行われるシミ抜きは、多種多様なシミに対応可能です。
ご家庭では諦めていたあのシミも、プロの技術で解決できるかもしれません。
ここでは、特にクリーニングのシミ抜きが有効な代表的なシミの種類をご紹介します。
油性のシミ
油性のシミとは、油分が主な原因となるシミのことです。
ご家庭で使用できる洗剤では水と油が混ざりにくいため、完全に落とすのが難しい場合が多いです。
食べこぼし(油分を含むもの)
ミートソース、チョコレート、バター、ドレッシング、マヨネーズなどのシミは、油分と色素が複合的に絡み合っていることが多く、早期の対処が重要です。
化粧品
ファンデーションや口紅、マスカラなど、化粧品には油分が含まれているため、油性シミとして扱われます。
機械油
自転車のチェーンオイルや自動車のエンジンオイルなどの機械油です。
強力な油性シミなので、ご家庭での除去は困難です。
皮脂汚れ
衣類の襟元や袖口に付着する皮脂も油性シミの一種です。
時間が経つと酸化して黄ばみとなることがあります。
これらの油性シミに対しては、クリーニング店では油を分解する特殊な溶剤や技術を用いて、繊維の奥に入り込んだ油分を浮き上がらせて除去します。
水性のシミ
水性のシミは、水溶性の成分が主な原因となるシミです。
水洗いが可能な衣類であればご家庭でもある程度、対処できますが、生地に染み込んだ色素が残ってしまうこともあります。
飲み物
コーヒー、紅茶、ジュース、ワイン、醤油など。
色素が濃いものは、特に注意が必要です。
食べこぼし(水溶性のもの)
果物、スープなどの水溶性の食べ物によるシミです。
汗
特に襟元や脇に付着する汗は、放置すると黄ばみや輪ジミの原因になります
汗自体は水溶性ですが、時間が経つと成分が変化し、ご家庭の洗濯では落ちにくくなることがあります。
このほか、泥汚れなどの不溶性のシミもあります。
クリーニングのシミ抜きでも落とせないシミの種類
プロのクリーニング店でも、残念ながらすべてのシミを完全に落とせるわけではありません。
シミの種類や付着からの時間経過、衣類の素材の状態によっては、完全に除去することが難しいシミも存在します。
主に、次のようなシミは、クリーニングのシミ抜きでも落としづらいものです。
変色したシミ
襟や袖など、黄ばんだ汚れはシミを通り越して”変色”している可能性があります。そうなってしまうとしみ抜きでは落とせないことが多いため、汗汚れはシーズン終わりにクリーニングでリセットすることをお勧めします。
インク・ペンキ
ボールペンや油性ペン、マジックなどのインクや、絵の具やペンキなどは、非常に強力な色素や特殊な成分を含んでいるため、繊維の奥深くまで浸透してしまいます。
そのため、完全に除去することが困難なシミの代表例といえます。
特に時間が経過して繊維に固着してしまったインクやペンキは、クリーニング店の専門技術をもってしても、完全に落とすことが難しい場合があります。
無理に除去しようとすると、生地が傷んだり、色落ちしたりする可能性も高まります。
墨汁
墨汁は、カーボン(炭素)の粒子が非常に細かく、繊維の隙間に入り込むと強力に固着するため、一般的なシミ抜きではまず落ちません。
特に和服などに付いた墨汁は、専門的な技術を持つ限られたクリーニング店でなければ対応が難しい場合が多く、完全に除去するのは非常に困難とされています。
カビ
衣類に生えてしまったカビは、シミというよりも繊維自体が変質してしまっている状態です。
初期のカビであれば除去できる可能性もありますが、深く根を張ってしまったカビは、繊維の奥に入り込み、変色させてしまうため、完全に落とすことは難しいとされています。
また、カビは生地をもろくする原因にもなるため、無理な処理は生地を傷めることもあります。
食べ物・飲み物の古いシミ
食べ物や飲み物のシミであっても、付着してから時間が経過し、酸化や変質を起こしているものは、非常に落としにくくなります。
特に、色の濃い食べ物・飲み物の古いシミ、時間の経過とともに繊維に色素が定着し、通常のシミ抜きでは対応が難しくなります。
シミが古くなると、繊維自体が変色していることもあり、完全に元の状態に戻すことは困難な場合が多いです。
これらのシミは、クリーニング店でも完全に除去できない可能性があることを理解しておくことが重要です。
クリーニングのシミ抜きの料金相場
クリーニングにおけるシミ抜きの料金は、シミの種類、大きさ、付着からの時間、衣類の素材、そして依頼するクリーニング店によって大きく異なります。
そのため、「一律でいくら」という明確な相場を示すのは難しいのが現状です。
一般的に、通常のクリーニング代の中にシミ抜き料金が含まれているケースもあります。別途料金が発生する場合でも、数センチ程度の小さなシミであれば、200円前後から2,000円程度が目安となることが多いでしょう。
しかし、広範囲にわたるシミや、インク、カビなどの特殊な技術が必要なシミの場合、料金が高額になることもあります。
特に、着物やブランド品などの高価な衣類に付いたシミは、より慎重な作業が求められるため、料金が高くなる傾向にあります。
クリーニングにシミ抜きを依頼する際の注意点
大切な衣類のシミをプロに任せるからこそ、いくつかの注意点を押さえておくことで、より満足のいく仕上がりが期待できます。
何もせずにクリーニング店へ持っていく
シミが付いたからといって、焦って落とそうとするのは避けましょう。
特に、シミの種類がわからない状態で自己流の処理を試みると、かえってシミを広げてしまったり、繊維を傷つけたり、シミを定着させてしまったりする恐れがあります。
その結果、後々、プロのクリーニング店でも落とすのが非常に困難になるケースがあります。
シミが付いたら、乾いたタオルで軽く押さえて水分や汚れを吸い取る程度にし、できるだけ触らずにそのままクリーニング店に持ち込むのがベストです。
落とせないシミがあることを理解しておく
前述したように、インク、墨汁、カビ、時間の経過した古いシミなど、クリーニング店の専門技術をもってしても完全に落とせないシミがあります。
すべてのシミが魔法のように消えるわけではないことを理解し、過度な期待はしないようにしましょう。
クリーニング店では、シミの状態を見て、どれくらいの除去が可能か、あるいは不可能かを事前に説明してくれます。
シミや汚れを見つけたらすぐに依頼する
シミは時間が経てば経つほど、繊維に深く浸透し、酸化や変色を起こして落ちにくくなります。
特に、食べ物や飲み物のシミや皮脂・汗汚れは、時間が経つと色素が定着してしまい、通常のシミ抜きでは対応が難しくなります。
シミを見つけたら、できるだけ早くクリーニング店に依頼することが、きれいにシミを除去するための最も重要なポイントです。
通常よりも料金と時間がかかる
シミ抜きは、通常のクリーニングとは異なり、専門的な技術と手間を要する作業です。
このため、通常のクリーニング料金に加えて別途料金が発生することがほとんどです。
また、シミの種類や状態によっては、通常よりも長い時間を要する場合もあります。
急ぎで仕上げて欲しい場合は、事前にクリーニング店に相談し、対応可能か確認しておきましょう。
要望をしっかり伝える
クリーニング店にシミのついた衣類を持ち込む際には、シミが付いた状況(いつ、何が付いたかなど)をできるだけ詳しく伝えることが重要です。
そうすることで、クリーニング店側はシミの種類や原因を正確に把握し、より適切なシミ抜き方法を選択できます。
また、特に気になる点や、どこまでシミを落としたいかなどの要望も明確に伝えることで、トラブルを避け、満足のいく仕上がりに近づけることができます。
まとめ
衣類に付いてしまったシミは、ご家庭での対処が難しい場合が多く、プロのクリーニング店に「シミ抜き」を依頼することが有効な解決策となります。
クリーニング店では、シミの種類や衣類の素材に応じて最適な技術と溶剤を使い分け、大切な衣類へのダメージを最小限に抑えながらシミを除去してくれます。
料金はシミの種類や大きさによって異なりますが、早目に依頼することで、より高い効果が期待できます。
シミを見つけたら、ご自身で無理に処理せず、できるだけ早くクリーニング店に相談し、詳細を伝えることが、大切な衣類を長くきれいに保つための鍵となるでしょう。
なお、白洋舍では、クリーニングのオプションサービスとして「シミ抜き」をご用意しています。
専門の技術者が最適な方法でシミ抜きを行っております。
経験豊富な専門技術者が生地の性質や状態とシミの種類、つき方を慎重に見極めながら作業を行います。
詳しくは、下記ページの「シミ抜き」の項目をご覧ください。