自宅でできる毛玉取りの方法やできにくくする予防方法を解説!
お気に入りのセーターやコートにできてしまった毛玉は、見た目を損ない、洋服を古びた印象にしてしまいます。
しかし、「毛玉取り器をわざわざ買うべきか」「自宅でできる効果的な方法はないか」と悩む方も多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では、衣類に毛玉ができる根本的な原因や、ご自宅で手軽にできる毛玉取りの方法をご紹介します。
毛玉ができる原因
セーターやコートなどにいつの間にかできてしまう毛玉は、衣類の繊維が絡み合って玉状になったものです。
毛玉は、繊維の先端が摩擦や引っぱりによって毛羽立ち、その毛羽立ちがさらに絡みつくことでできます。
毛玉ができる主な要因は、「摩擦」と「素材の特性」に分けられます。
摩擦
毛玉ができる大きな要因は、着用時や洗濯時の摩擦です。
着用時の摩擦
着用時に摩擦が起きやすいのは、次の箇所です。
衣類と肌が擦れる部分(脇の下、首回り、袖口)
衣類同士が擦れる部分(腕と胴体、袖と鞄など)
衣類と家具(椅子、ソファなど)やバッグなどが擦れる部分
これらの摩擦によって繊維が引っ張られたり、押しつぶされたりすることで、繊維の先端が生地の表面に飛び出します。
洗濯時の摩擦
洗濯機の中でほかの衣類と絡み合ったり、洗濯槽にこすれたりすることで、強い摩擦が生じます。
飛び出した繊維(毛羽)は、やがて撚り合わさって小さな玉となり、これが洋服の表面にしっかりと絡みつくと、毛玉として残ってしまうのです。
素材の特性
すべての繊維が同じように毛玉になるわけではなく、素材によって毛玉の「できやすさ」や「残りやすさ」が違います。
毛玉ができやすい素材(短繊維)
ウールやカシミヤなどの天然繊維は、繊維が短いため毛羽立ちやすく、絡みやすい特性があります。
また、アクリルやポリエステルなどの化学繊維は、繊維の強度が高いため、毛玉ができても取れずに残りやすい傾向があります。
毛玉ができにくい素材(長繊維)
シルクや麻、長繊維のポリエステルなど、繊維が長い素材は毛羽立ちにくいため、毛玉ができにくいです。
複数の異なる素材を混ぜた混紡(こんぼう)の衣類は、それぞれの繊維の特性が影響し合い、毛玉ができやすい傾向、またはできた毛玉が頑固になりやすい傾向が見られます。

自宅でできる毛玉取りの方法
できてしまった毛玉は、洋服の見た目だけでなく、着心地や機能性にも影響を与えるため、取り除くことが大切です。
ご自宅にある身近な道具や専用のアイテムを使って、毛玉を取ることができます。
洋服を傷めないためには、必ず平らな場所に置いて、生地をピンと張った状態で行うことが基本となります。衣類を傷めないように毛玉を取りましょう。
毛玉取りブラシを使う
毛玉取り専用のブラシは、洋服を傷めにくく、特にウールやカシミヤなどのデリケートな素材の毛玉取りに適しています。
毛玉取りブラシを使った毛玉の取り方
毛玉がある部分に対し、ブラシの毛先を立てるのではなく、寝かせて一方向に優しくなでるように使います。
洋服の繊維に沿ってブラッシングすることで、毛玉だけを引っ掛け、表面から取り除くことができます。
生地を引っ張らないように、軽く力を加えるのがコツです。
ハサミで切る
毛玉が大きく、生地から浮き上がっている場合には、手芸用の小さなハサミなどで一つひとつ丁寧に切り取る方法がおすすめです。
広い範囲の毛玉取りには向いていませんが、大切な服の目立つ毛玉を処理するのには適しています。
ハサミを使った毛玉の取り方
生地を傷つけないよう、毛玉の根元ギリギリではなく、少し浮かせて切るようにします。
引っ張ると繊維が切れて、かえって毛羽立ちやすくなるため、毛玉を引っ張らず、慎重に進める必要があります。
カミソリで切る
自宅に毛玉取り器がない場合に、応急処置として使えるのがT字カミソリです。
ただし、生地を傷める可能性があるため、慎重に行う必要があります。
特に、デリケートな素材や目の粗いニットには適さないため、目立たない場所から試しましょう。
カミソリを使った毛玉の取り方
衣類を平らな場所に広げ、シワにならないようにピンと張ります。
カミソリを立てすぎず、寝かせるようにして、軽い力で毛玉の上を滑らせます。
一度に広い範囲を剃ろうとせず、少しずつ様子を見ながら作業を進めることが大切です。
スポンジを使う
食器洗い用のメラミンスポンジや、硬めの台所用スポンジの研磨剤が入っていない面も、簡易的な毛玉取りに利用できます。
スポンジを使った毛玉の取り方
衣類を平らな場所に置き、スポンジで毛玉がある部分を軽く擦ります。
こうすることで、スポンジの目が毛玉を引っ掛け、絡め取ってくれます。
ただし、強く擦りすぎると生地を傷めたり、逆に毛羽立ちを増やしたりする可能性があるため、優しく行うのがポイントです。
粘着クリーナーを使う
一般的に「コロコロ」と呼ばれる粘着クリーナーは、埃や小さなゴミを取るのには適していますが、毛玉取りにはあまり推奨できません。
粘着クリーナーで毛玉を取ろうとすると、その粘着力で生地の繊維を引っ張ってしまい、結果的に毛羽立ちを増やし、新たな毛玉の発生原因となるためです。
大きな毛玉を取るのではなく、仕上げの段階で浮いた小さな毛羽やゴミを取る程度の使用にとどめるのが賢明でしょう。
毛玉をできにくくする予防方法
できてしまった毛玉を取り除く手間を減らすためにも、日頃から毛玉を「発生させない」ための予防が大切です。
ここでは、衣類を長持ちさせるための毛玉予防の具体的な方法をご紹介します。
裏返して洗濯ネットに入れて洗う
「毛玉ができる原因」でもご紹介したように、洗濯時の摩擦は毛玉の大きな原因となります。
洗濯方法を工夫するだけで、毛玉の発生を抑えることができます。
衣類を裏返す
洋服の表側の摩擦を減らすため、Tシャツやセーターなどは裏返してから洗濯ネットに入れましょう。
こうすることで、表地がほかの衣類や洗濯槽に直接、触れることを防げます。
洗濯ネットを活用する
ニットやデリケートな素材は、必ず一枚ずつサイズの合った洗濯ネットに入れて洗いましょう。
ネットの中で衣類が動きすぎないように、衣類の大きさに合ったネットを選ぶことがポイントです。
おしゃれ着用洗剤を使用し、手洗いコースやドライコースなど、水流の弱いコースを選ぶのも効果的です。
着た後はブラッシングする
着用後のひと手間が、毛玉の予防につながります。
洋服を脱いだ後、衣類用ブラシで生地の表面を軽くブラッシングする習慣をつけましょう。
ブラッシングによって、絡まり始めた繊維や、付着したホコリ・ゴミを取り除くことで、毛玉になる前の毛羽の状態でケアできます。
素材に合った柔らかいブラシを選ぶことで、生地を傷めずにケアできます。
着た服は休ませる
同じ洋服を連日着ることで、毛玉ができやすくなります。
一度、着た衣類は、繊維が疲弊しており、摩擦に対する抵抗力が下がっています。
特に毛玉ができやすいニットなどは、2~3日程度、休ませることで、繊維を元の状態に回復させ、毛玉の発生を抑えることができます。
クリーニング専門店に出す
家庭でのケアに不安がある衣類や、高級素材の衣類は、プロであるクリーニング専門店に任せるのが一番、確実で安全な方法です。
クリーニング店では、衣類の素材や状態に合わせた適切な洗浄方法を選んでくれるため、家庭での洗濯よりも摩擦やダメージを抑えることができます。
特に毛玉ができやすいカシミヤやアンゴラなどの素材は、定期的にプロのケアを受けることで、美しい状態を長く保てます。

毛玉取りもクリーニング店がおすすめ!
毛玉が広範囲に及ぶ場合や、自宅での対処に抵抗がある場合は、クリーニング店での毛玉取りサービスを利用するのがおすすめです。
ご自身で毛玉取り器やハサミを使うよりも、プロに任せた方が多くのメリットを得られます。
仕上がりがキレイ
クリーニング店の多くは、プロ仕様の高性能な毛玉取り器や専用の道具を使用しています。
このため、生地を傷めることなく、毛玉だけを均一かつ丁寧に取り除くことが可能です。
セルフケアでは難しい、デリケートな部分や複雑な編み目の毛玉もキレイに処理してもらえるため、まるで新品のような滑らかな仕上がりが期待できます。
失敗やダメージのリスクが低い
ご自宅でカミソリやハサミを使う方法の場合、誤って生地を切ってしまったり、深く剃りすぎて繊維を薄くしてしまったりといった可能性があります。
クリーニング店なら、衣類の素材や編み方を熟知したスタッフが作業を行うため、生地へのダメージを最小限に抑えられます。
大切な洋服を長く愛用するためにも、プロのサービスを利用することが賢明な判断といえます。
手間がかからない
広範囲の毛玉取りは、時間と手間のかかる作業です。
特に、共働きで忙しいご家庭や、日頃から家事に追われる主婦の方々にとって、この手間がなくなるのは大きなメリットでしょう。
クリーニングに出すついでに毛玉取りも依頼すれば、時間を有効に使いながら、洋服をベストな状態に保つことができます。
まとめ
毛玉は、衣類の着用や洗濯に伴う「摩擦」が主な原因でできてしまいます。
特にウールや混紡素材は毛玉ができやすい傾向にありますが、日頃の少しの工夫で発生を抑えることができます。
ご自宅で毛玉取りを行う場合は、毛玉取り器や毛玉取りブラシ、ハサミなどの道具を、生地を傷めないよう細心の注意を払って使用することが大切です。
特に、カミソリやスポンジは応急処置として使い、デリケートな素材への使用は避けるのが無難でしょう。
予防策としては、「裏返してネットに入れて洗濯する」「着用後にブラッシングする」「衣類を休ませる」といった習慣をつけることが重要です。
大切な衣類を確実に、キレイにケアしたい場合は、クリーニング店の毛玉取りサービスの利用がおすすめです。
プロの技術に任せることで、仕上がりが格段に良くなり、ご自身での失敗リスクや手間も削減できます。
なお、白洋舍でも毛玉取りサービスを550円で承っております。
※ローヤルクリーニングは無料で実施致します。
白洋舍のクリーニングサービスについては、こちらのページをご覧ください。






